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神職とめぐる紅花の朝摘みと紅餅づくりを実施しました!ツアー化の裏側も公開!
2023/07/21

神職とめぐる紅花の朝摘みと紅餅づくりを実施しました!ツアー化の裏側も公開!

「ここで作った紅餅は、、、」

谷地八幡宮(河北町)の神職、林重紘さんが2022年に開催したワークショップで放ったその言葉がすべての始まりでした。


こんにちは。DMC天童温泉の鈴木誠人です。山形ならではの体験型ツアーを作って、売って、受け入れています。

2023年7月8日(土)〜12日(水)までの5日間、「神職とめぐる最上紅花の朝摘みと紅餅づくり」を実施しました。

山形県の県の花「紅花」をテーマに、朝6:00から紅花の朝摘み、温泉、紅花の朝ご飯、谷地八幡宮で正式参拝、紅餅づくりを行う体験型ツアーです。

今回は、紅花に興味関心がある県内外の総勢17名が参加しました。

実はこのツアー、企画構想から1年越しの実施……。今日は、ツアー化に至った経過とどんな内容のツアーだったかをご紹介します。

神職の一言からはじまった企画

2022年6月、紅花を活用した着地型旅行商品造成のワークショップが開催されました。


日本遺産「山寺を支えた紅花文化」の構成市町の自治体職員や民間の関係者、そして谷地八幡宮の林さんも参加しており、様々なアイディアが生まれました。


そのひとつが、今回実施した数珠繋ぎで紅餅を作っていくツアーでした。紅花は摘んだあと、数日間発酵させてから紅餅にするため、例えば1日目に参加した人が摘んだ紅花は、4日目に参加した人が紅餅にするような流れになります。このように、参加者で繋ぎ紡いでいく形のツアーもストーリー性があっていいのではないかということです。

そして、もうひとつ。とっても重要な意味がこの紅餅づくりには込められています。ただ、とても繊細な話題のため、公の場ではまだ言うことができません。

このツアーの本当の価値はそこにあるのではないかと思っております。

言えないのがはがゆくもどかしいです……正式に発表できるようになるまでお待ちください。

痛みが価値になる

2022年7月、ツアー案をひっさげて林さんが花摘みをしている河北町の紅花畑にお邪魔しました。実際に自分たちでやってみて、どのような構成にするのがいいのか検討していきます。

まずは、朝5:00に集合し摘み方を教えていただき花摘みスタート。まず、紅花のトゲが太ももやお尻まわりに突き刺さります……イタイ!

紅花の特徴でもあるこのトゲは、朝露に濡れて柔らかくなります。その時間帯に花摘み等の作業をすることでダメージを軽減することができるのです。(だから、紅花農家さんは朝摘みに行ってたのかと納得!)


暑くなってくるとカチカチに固くなるので、もっと痛くなります。

紅花の摘み取り自体は難しくはないですが、摘んでも摘んでもなかなか減っていかない。むしろ、今さっき摘んだところまた咲いた?って言いたくなるほど。

ただ、慣れてくると途中から無双モードに突入するので痛みも感じなくなります(?)


これまでの観光業界の感覚でいくと、こういった痛みや不快感などマイナスなものって極力省きながら、優雅で便利で快適な価値提供が多かったと思います。

それはそれでいいですが、本来生産者やその土地の住民が実際に行っている暮らしや生業をそのまま体験したいという旅行者は年々増えているような気がします。

おもてなしされるよりも、その暮らしの一部になりたい。その痛みですら経験したい。「経験を買う」という価値観がだいぶ浮き彫りになってきている。

実際、この経験を経て私も紅花に対しての理解度、考え方、愛着に変化を感じました。この変容こそこれからの地域観光における最大の価値に繋がるものだと確信しました。

広がる輪

2023年5月、改めてこの企画を実際にリリースするにあたり最終の調整に入りました。1年間温めてきて、ある程度の完成度にはなっていました。

ただし、リリースにあたり悩んだ要素が2つありました。

ひとつは、朝ご飯をどうするか。もうひとつは、紅花を摘む・紅餅をつくるという作業だけで終わってしまっていいのかということです。

朝ご飯に関しては、畑で食べれらるようにセットするか、どこかから仕出し弁当をとるか色々考えました。その悩みも林さんに相談させていただいたところ、町内のまる梅さんを紹介、繋いでくださいました。

林さんとともにまる梅さんにお伺いしたところ「紅花を広める、紅花料理を食べてもらえるならぜひやりたい!」と快諾を得ることができました。


まる梅さんが提供している料理の素材となる野菜は、ほぼすべて自家栽培。魂がこもっています。


さらに、ツアー開催時期の7月には絶対に食べられない紅花の若菜をはじめ、紅花の乱花も料理の中にふんだんに使いながら、紅花の楽しみ方を食で表現しています。


本来、朝食の時間帯は営業時間外で頼むのも申し訳ないと思っておりました。快く引き受けてくださり、感謝しかありません。

これで、朝ご飯問題は解決!解決どころか、紅花まで入った朝ご飯になりさらに付加価値もあがる模様。楽しみが増しました。


2つ目の作業以外の要素が何か入れられないかというところで、林さんから谷地八幡宮で正式参拝はいかがですか?とご提案いただきました。

紅餅をつくる会場は、谷地八幡宮。たしかに、ここで神様にご挨拶を申し上げ、身も心も清めた状態で紅餅づくりを行うことに意味があると感じました。


ここからインスピレーションを受け、ツアータイトルの「神職とめぐる……」が生まれたのです。

1つの企画をきっかけに新たな出会いや輪が広がっていきます。こうして、ツアーの要素が出揃い完成し、リリースとなります。

想定外な出来事

2023年7月、ツアー実施を迎えます。参加者は、県内5割、県外5割とちょうど半々!実はここが想定外でして、基本的にはかなりニッチなツアー内容なので、山形県内の方でかつ紅花に興味関心がある方がお越しになる想定でした。

蓋を開けてみたら、県外の方も多くお越しになり嬉しいばかり。

みなさん紅花に何かしら触れたことがあり(映画を見たり、過去に見たことがあったりなど)もっと深く知りたい、もっと触れてみたいという理由で参加されている印象でした。

あるようでなかった紅花体験

朝6:00に集合し、紅花の朝摘みを行います。だんだんと太陽と気温があがる中、黙々と摘み取りながらも時折林さんと楽しそうに会話をしている姿を見て嬉しくなりました。


紅花の朝摘み後は汗を流すために、近くになるひなの湯へ。朝の畑仕事終わりの温泉は最高に気持ちいいですよね。


温泉でさっぱりしたあとは、朝食会場のまる梅さんに集合。朝からこのボリューム!?という印象ですが、ほぼ野菜だからスッとお腹に入ります。紅花は、コレステロール低下、鎮痛鎮静効果があることが判明しており、健康食品としても注目されております。


お腹を満たし、谷地八幡宮へ。到着後は、正式参拝へ進みます。畑では作業服を着ていた林さんが、正装に着替えていて、本当に神職なんだーという表情を浮かべる参加者のみなさん。このギャップもたまらないですよね。


正式参拝後、紅餅づくりを行います。まずは、自分たちが朝摘んだ紅花を洗います。花以外の葉や虫を取り除く荒振り、黄色い色素を洗い流す中振りを行います。


洗った紅花は、ここから数日間発酵させるために寝かせます。


ここから扱う紅花は、数日前に摘んで洗って発酵させたものです。ぎゅうっと押しつぶすように臼でつきます。


3cm弱の大きさに丸めて、手のひらで押し広げながら成形し、紅餅を作ります。参加者の作業はここまでです。


そのあとは、笠に並べ数日かけて乾燥させます。ちなみに、山形の夏の風物詩「花笠まつり」の踊り手が持ってる花笠は、この笠に紅餅が並んでいる様を見立てたものです。


参加した方からは、「これまでは紅花を見るとか、簡単な体験くらいしかなかったけど、がっつり摘んだり紅餅を作ることができて楽しかった」「こういった経験はなかなかできない」「全く新しい体験ができた」などの声があがりました。

さらに、「ちょうどいい人数で和やかな雰囲気が楽しめたから」といった少人数制ツアーへの満足度の高さを感じることもできました。

ひとりひとりとコミュニケーションをとりながら、着実にファンを増やしていきたいと思っていたので嬉しいコメントでした。

改善するべき点も見えてきたので、来年はさらに進化していきます!

最後に……

最後までお読みいただきありがとうございます!今後も、紅花だけに限らず山形の魅力をカタチにして、山形でよりディープな経験がしたいあなたへお届けしていきます。

今回、このツアーを実施するにあたって、全面的に一緒になって進めてくださった谷地八幡宮の林さんをはじめ関わってくださった多くの方に感謝申し上げます。何より、ご参加いただいた皆様ありがとうございます!!

Special Thanks
ご参加いただいた皆様
谷地八幡宮
河北町
農事組合法人ファームひなの里
まる梅
「山寺と紅花」推進協議会

text & photo 鈴木誠人